食と農

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女満別小学校発「『いのち』をつなぐ」活動報告

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女満別小学校発「『いのち』をつなぐ」活動報告

人と食べ物との助け合い 文責 渡辺 諒

はじめに

自分の家でジャガイモを作った時に虫に葉を少し食べられていて,葉に穴が空いていました。だからそんな虫達からジャガイモを守りたいと思いました。そのために,害虫の駆除の仕方や駆除に使う薬にはどんなものがあるのか,ジャガイモの害虫は何種類くらいいるのか知ってみたいと思い,「薬・害虫・病気」について調べました。

第1章〜ジャガイモの害〜

(1),ジャガイモの害虫

ジャガイモの害虫は,アブラムシ,テントウムシ,ケラ,ハリガネムシ,ナストビハムシ,ジャガイモガ,ネグサレセンチュウ,ネコブセンチュウ,ジャガイモシストセンチュウ,トヨウムシの10種類がいて,駆除は主に薬でする方法と薬以外には見付けたら1週間置きに2〜3回捕殺(捕まえて殺す)する方法の2つの方法があります。害虫が病原のウイルスをジャガイモに感染させる事があるので,駆除はジャガイモを育てる事に当たって大事な事の1つとなっています。

(2),ジャガイモの病気

病気の種類はウイルス病,マイコプラズマ様病原体,その他の病害と大きく分けて3種類(グループ)に分ける事が出来ます。
これらの病気を足しただけでも25種類とすごく多い事が解ります。土も病原になることがあってソウカ病はアルカリ性の土だとかかりやすい病気です。

(3),土

そもそも土とは岩や石が細かく砕けたもの,岩のかけらで砂よりも大きいもの,岩の小さいものの事で,よく目にするものです。土にはアルカリと酸があります。アルカリ性は,石鹸水や石灰水などのように赤色リトマス紙を青色に変え,酸と中和する性質がある。酸性は,青色リトマス紙赤色に変え,アルカリと中和する性質がある。中和とは,アルカリと酸の液を程良く混ぜ合わせた時,どちらの性質も表さなくなる事。酸性の土は,つくしが生え,野菜が育ちにくく,アルカリ性の土は,野菜が良く育ち,トマト,ナス,キュウリなどは甘みと旨味が出ます。酸性をアルカリ性に変える方法があります。それは,生ゴミを埋めたり,有機飼料を混ぜたりする事で酸がアルカリになるまで1〜2年間かかる。酸性の土には,スギナ,クローバ,ヨモギ,スミレ,オオバコが生え,アルカリ性の土には,スズナ,ハコベが生えます。

(4),ジャガイモに使う薬品

ジャガイモに使う薬品は,それぞれの病気に合わせて作っています。
収穫までの日数が減っていくと使える薬の量も減っていき,収穫1日前に使える薬はZボルドー水とジーファイン水の2種類になります。
その他に害虫のための薬もあります。
薬をたくさん使うと言う事は,自然にも影響があるので,無農薬栽培や少ない薬の量で対策ができるようにして自然に影響が少ないようにしたいものです。そして,環境に良い薬品も近々開発されています。ククメリス,マトリック,シクロパック粒剤,ダイアジノンSLゾル,クロルピクリンテープ等があります。

・ククメリス…国産初の天敵農薬アザミウマ防除に使う薬品です。
・マトリック…リン翅目害虫防除に新タイプのIGR剤です。
・シクロパック粒剤…パック剤の飛散防止で,イネミジゾウムシ,イネゾウムシ,イネドロオイムシ,イグサシンムシガの防除に使う薬品です。
・ダイアジノンSLゾル…一回処理で長期間コガネムシを防除し,天敵・防花昆虫にも優しいマイクロカプセル製剤です。
・クロルピクリンテープ…刺激臭をシャットアウトします。

ジャガイモに使う薬品

第2章〜日本と世界の農業の違い〜

農薬の使用量を調べたのは,環境に悪い薬を日本では,外国では,どの位作付されていて,薬がどの位使用されているのか。また,日本と外国の農薬使用量はどの位の差があるのかが知りたくて調べ,世界でのジャガイモの生産量は,農薬がたくさん使用されている中で,どれ位生産されているのかを知りたくて調べました。

(1),日本と世界の農薬使用量

日本における農薬使用状況

日本における農薬使用状況

アメリカにおける農薬使用状況

アメリカにおける農薬使用状況

これらの表からは,アメリカより日本の方が作付面積は少ないけど,農薬使用量(ha当たり)はかなり多い事がわかります。

ジャガイモの栽培面積と農薬使用量

この表からは,世界でもジャガイモは多く生産されている事がわかります。しかし,農薬も使用されていて,決して環境には良くない事が予想されます。

(2),世界でのジャガイモの生産量

この表からも,世界ではジャガイモは多く親しまれていて,11ヶ国以上の国々で生産されている事が解ります。
11カ国で生産量が30,820万tの内,中国では6,405万t,日本では290万tと中国の生産量の約22分の1で,11ヶ国合計生産量と比べると,約106分の1とかなり少ない事も解ります。
平成13年記録(2001年)

世界のジャガイモの生産量と国内生産量

世界のジャガイモの生産量 
上の表からわかる通り,世界でのジャガイモの生産量が多いのは
1位…中国    約6,405万t     
  2位…ロシア   約3,450万t     
  3位…インド   約2,500万t
  日本は
  11位…290万t

第3章〜食料自給率〜

食料自給率とは,食べ物がどれくらい国産品で賄われている(間に合わせる)か,を示す値のこと。
・自給率には,品目ごとの自給の度合いを示す「品目別自給率」
・牛とか豚などの飼料用(餌)も含めた穀物の自給の度合いを示す「穀物自給率」
・カロリー(熱量)をもとに自給の度合いを示す「供給熱量自給率」 
自給率はこの3種類で見る事ができます。

(1)日本の食料自給率の移り変わり

日本の食料自給率の移り変わり

グラフを見ての通り,自給率が減って来ています。供給熱量自給率(カロリーベース)が82%〜40%に,穀物自給率が79%〜28%に,とかなり減っています。この自給率が減った大きな理由は食生活が変わって来たからです。

(2)食生活の移り変わり 表1

食生活の移り変わり

(3)品目別の自給率 表2

品目別の自給率

表1からは,国民1人1日の供給熱量の大きな変化がわかります。昭和35年,48,3%の米の供給熱量自給率に比べて,平成12では23,8%と24,5%も違う事がわかるし,昭和35年から平成12年の間に米や畜産物,油脂類が大きく変わっているし,35年の2,291kcalから12年の2,645kcalと差が345kcalに増えている事がわかります。そして,米が大きく減って肉や油ものを多く食べるように変化して来ています。
 
表2からは,見た通りずいぶん品目によって差があるのがわかります。僕達が毎日食べている米の自給率は95%と約100%で,ほとんど国産で賄われているけど,パンやうどんに使われている小麦や油,味噌・醤油・納豆・豆腐などに使われる大豆が入っている豆類の自給率は,小麦が11%,豆類が5%と米と比べると,ものすごく自給率が低く差もものすごい事がわかります。つまり,食生活が大きく変わって,米を食べる量が減り,たくさん必要になった小麦などが,国内での生産で賄いきれなくなった事から自給率は大きく下がって来ています。

終わりに

僕が考えるいのちをつなぐは,害虫や病気(ウイルスの侵入)を,薬を使って防いで生産し,生産したジャガイモをどれだけ国内で賄っていて,どれほどの食生活に変化があるか。(人が育てたジャガイモから人へジャガイモが実を実らせてお換えし)僕はこう言う,いのちをつなぐが見えました。



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2005;2006 学習素材のデジタル化連携促進事業