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2011年3月9日
流氷はやや沖に離れましたが、青い海と白い流氷のコントラストが美しい光景が広がっています。
今日は天気も良く、北浜の海岸でクリオネを採集してみました。
午前9時過ぎの北浜。
すぐ沖にある流氷で押さえられて波は殆どありません。
打ち上げられた流氷以外は離れているので浮いてる流氷に体が挟まれる心配も無く、
風も無く、クリオネ採りには絶好のコンディションです。
自宅で胴長(ウエダー)を履き、タモ網と小さな容器を持って海岸へ。
静かに網を入れて打ち上げられた流氷の周りをなぞるように動かしてみました。
採れたものの多くは体長数ミリ程度の小さな個体でしたが、偏光サングラスを付けてよく見ると1センチ以上の個体だと水中に居る姿を直接見つけることが出来ます。
1時間余りでこれくらい採れました。
このまま時々海水を入れ替えながら冷蔵庫に入れておくと数ヶ月間は飼う事ができます。
テレビ等で紹介されたことがきっかけで広く知られるようになり、人気がある生物です。
一般の旅行者の方々でクリオネを希少生物だと思っている方も多いようですが、実はいくらでもいる動物プランクトンの一種でもあり、魚の餌にもなっています。
クリオネという名前が広く知られていますが、これは学名(Clione Limacina)です。
和名はハダカカメガイと言って、殻を持たない巻貝の仲間でもあります。
和名よりも学名が一般的になっている生物は珍しいですね。
私達も他の動植物を学名で呼ぶことは殆どありませんし、そもそも正直言って学名を覚えようともしません(笑)
ちなみに昨日の流氷日記に書いたタンチョウの学名はGrus japonensisと言います。
クリオネの場合はその姿からくるイメージが和名のハダカカメガイよりも学名のクリオネリマキナの方が可愛らしくて合っていると、最初に一般に広めたメディアが判断したのでしょう。
網走自然ガイド オホーツク遊楽倶楽部 金指 功