トップ > 流氷にあえるかな? > 日記集 > 遊楽倶楽部さん > 今冬の白鳥公園
2011年2月4日
今朝の北浜から見た流氷は昨日とあまり変わりませんが、沖にあったものは更にちょっと離れたようです。
そして今冬、北浜の濤沸湖畔、白鳥公園は昨冬までと様子が違います。
写真は今朝8時30分頃の白鳥公園です。
現在の白鳥公園は昨冬までと比べてハクチョウやカモなどの水鳥たちが大変少なくなっています。
昨冬まではここでパンくずを売っており、観光客の方々がそれを水鳥たちに与えていましたが、昨年10月に稚内でカモの糞から強毒性鳥インフルエンザウイルスが検出され、つい最近でも道東の浜中町でオオハクチョウから確認されました。
そのような事情からこの冬はこの白鳥公園でも水鳥への餌やりは控えており、昨冬までそれをあてにしていたハクチョウたちが少なくなっているのです。
でもそれが本来の姿。
本来この濤沸湖はハクチョウやカモなどの渡り鳥にとって長旅の中継地点として重要な場所なのであり、それが認められて2005年11月にラムサール条約(渡り鳥にとって国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されたのです。
秋、シベリア方面から長旅を続けてきた渡り鳥たちはこの濤沸湖に降り、水草などを食べながら羽を休め、体力を回復します。
そして更に南へと飛び立ち、越冬地に向かうのです。
そして春、越冬地からの北へ帰る渡り鳥たちは再びこの濤沸湖で羽を休め、はるかシベリア方面へと旅立って行くのです。
昨冬まではここで人間が餌を与えていたため、多くの水鳥たちがそれに依存してここで越冬していました。
でもそれは自然界に生きる野鳥の姿ではありません。
この冬はその餌がありませんが、それならそれで彼らは更に南下したりして凍結せず、水草の多い場所を探して自然界の中で逞しく生きていくのです。
この冬、水鳥たちの数は少ないですが、餌付けをしていない冬の濤沸湖をぜひ見て頂きたいと思います。
ただ、パンくずの販売をしていなくてもバスの団体さんたちが自分達の餌を水鳥たちに与えているのを時々見かけるのは残念です。
ハクチョウやカモ類は少ないですが、白鳥公園ではオオワシやオジロワシを見ることが出来ます。
写真は昨日撮影した濤沸湖の氷上で休むオオワシです。
今朝8時30分頃、オジロワシです。
オオワシもオジロワシも野生生物であり希少種なので見られないこともあります。
観察される時はオホーツクの空の王者に敬意を持ち、距離を置いて静かに観察しましょう。
流氷の状況は昨日とあまり変わりませんので昨日と同じような写真ですが、
今朝8時20分頃、北浜駅展望台から西(市内)方向です。
同じく展望台から東(斜里方面)方向です。
数日以内には戻ってくると思うのですが・・・。
網走自然ガイド オホーツク遊楽倶楽部 金指 功