エンジン音が大きくなり、かけ声とともに大きなすくい網が定置網の中におろされ、鮭をどんどんすくってコンテナに入れていきます。テレビなどで見たことがある、網そのものを船に取り込むような方法で魚を捕るのだと思っていたのですが、もっと単純なやり方でした。鮭の大きさはかなりのものだから、きっとそれでは鮭の重さで網を持ち上げたら切れてしまうかもしれません。
網からあがった鮭鱒の勢いはすさまじいものがあります。バチバチッとはじけるような音をたてて、あまり近付いて撮影するとカメラのレンズに水しぶきが飛んできます。勢いあまって運良く船から海へ飛び出る鮭も。甲板も飛び出した鮭でいっぱい。拾ってコンテナに戻すぐらいの手伝いをしたいのですが、大きくて激しく飛び跳ねる鮭を見ると、ちょっと恐くてできずにただ見ているだけ。
コンテナの中は、大体2種類の魚でみっちりうめ尽くされていきます。大きなものが鮭、小さなものが鱒です。鮭は「あぶらびれ」の大きさや顔の長さ、おなかの厚さなどでオスメスが判別できるのだと教えてもらいました。わかったつもりで一匹一匹見比べてみても、私には今一つ判別できず‥。
4つの漁場をまわるうち、コンテナがついにいっぱいになったので、港へ向かいます。3トンの鮭の重さに船がぐっと沈みます。鮭の激しい勢いはだんだん弱まっておとなしくなり、わたしもさっきまでの興奮が徐々に落ち着いてほっと一息。
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漁の間は船の後方からカメラをかまえていたのですが、帰り道、前へ戻ろうとしても甲板は鮭のじゅうたんが‥踏むと滑りそうで、コンテナのふちと船のへりをつたって手を引っ張ってもらいなんとか脱出!
港へ戻ってコンテナをリフトで引き上げ、今度は魚の選別が始まります。
魚を捕っている内にもやも晴れ、日もようやく上り、今度は暑くなってきました。でも時計を見るとまだ6時過ぎ。あらためて朝の早い仕事に感心します。
私は初めての漁船で楽しい気持ちで乗っていましたが、漁師の仕事は本当に大変です。てっきり朝だけで仕事は終わり、午後は休みなのだと思っていたのですが、港へ戻って朝食を終えると、さあまた次の仕事。みんな再び海へと出かけていきました。夕方までしっかり仕事があるというのです。
仕事の始まる時間も、早い日は午前1時からあるのだそうです。もう朝を通り越して、夜!会社づとめの人たちが仕事を終えて、一杯飲んで帰ってくるような時間にもう出勤しなければならないということなのです。私は漁師の仕事を今までもっと楽に考えていた部分があったようです。
そんな大変な仕事の邪魔をしてしまったかもしれない私たちを、明るく迎えてくれた漁師の方々に感謝。おみやげに鮭、鱒をたくさんいただいてしまいました。今度はこちらが鮭と格闘することになりそうです。■

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