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 オホーツクの気になるモノ (2001.8.6) *写真をクリックすると拡大されます。

 今年のオホーツクは、7月になってから梅雨のようなどんよりした空が、ほぼ毎日広がっていました。湖畔のキャンプ場で雨にぬれたテントを見ると、なんだか申し訳ないほどです。
 ぼやぼやしているとあっという間に終わってしまうオホーツクの夏、たまの晴れ間は貴重です。今日は久しぶりに気持ちよく晴れたので、以前から気になっていた二つの「あるもの」を見にいきました。

廃船

廃船

 網走から斜里方面に向かう途中の海岸沿いに、古びた漁船があります。いつうち捨てられたものなのか、潮風にさらされていい具合に朽ちていて、中から草なんかも生えたりして、ちょっとしたオブジェのようにも見えるのです。絵のモチーフにする方もいるようです。
 最近になって、この船が崩壊したり、波にさらわれると危ないということで、取り壊してしまう話がでていました。
 でも、この船をぜひ保存しておいてほしいという声も多かったようで、今はまだなんとか残されています。
 そのかわり、「キケン 立ち入り禁止」の看板が立てられてしまいました。船の両側にぴったりと立っているので、写真を撮るにも一苦労です。風情半減といった感じで、少し残念な気もします。

オホーツクの海岸 廃船

草の生えている屋根

展望牧舎

 海沿いをさらに原生花園の方へ進むと、濤沸湖畔に展望牧舎という小屋があります。屋根に草が生えている不思議な小屋です。
 土手の上の歩道から写真を撮っていると、馬に草をやっていたおじさんが「柵の中に入れるよ」と声をかけてくれました。斜里に住むこの方は、いつもここを通るたびに馬の手入れなどしているとのこと。許可を得ているので柵の中にも入ることができるのだそうです。

 ここは近隣のいくつかの牧場の馬が放し飼いになっている所で、牧舎には観光用に展望台がついています。今日は天気がよいせいもあってか、いくつもの観光客のグループが、馬にさわったり、わたしと同じように写真を撮ったりしていました。

馬、お昼寝中

 午後3時。今はちょうど馬の昼寝の時間。みんな立ったままじっと目をつぶっています。

 馬にエサをやりながら聞いたおじさんの話によれば、馬にもなわばりがあり、同じ牧場同士の馬がかたまって過ごしているとのこと。水場で水を飲むにも順序があって、リーダー格の強い馬がそばでじっと見張っているのだそうです。見るとちょうどそのリーダー格の馬が他の馬を水場から追い払っているところ。ただただのんびりと見える馬たちですが、実はいろいろなルールがあるようです。
 また同じ馬ばかりにエサをやっていると、他の馬がやきもちをやいてその馬を蹴ったりするのだそうです。おじさんは馬の回し蹴りを見たこともあるとか!

おじさんと馬 エサ、くれるの?

 展望台は牧舎の屋根にも登れるようですが、危険なのでやめたほうがよいでしょう。観光客の一人が牧舎の屋根の端まで歩いていってるのが見えましたが、一斉に馬たちが牧舎に向かって動き始めました。これは仲間が襲われるのでは、と感じて動きだしたもので、普段は各牧場のグループごとに行動していても、いざとなると馬全体の結束を固めるのだそうです。もしこんなとき屋根から落ちたりしたら、馬に襲われることもあります。展望台に上る際は十分注意が必要です。

草屋根

 その牧舎の屋根ですが、なぜ草が生えているのかずっと気になっていたのです。聞いてみると、やっぱりこれは自然に生えたものではなく、屋根に土を盛って植えたものなのだそうです。こうすると、適度な湿気があって牧舎も長持ちするし、なにより涼しいのです。
 こんな建物はここだけかと思っていたら、神戸などでは同様の効果を求めて、屋根に芝生などの草を植えている一般の住宅もすでにあるとか。ノルウェーやスウェーデンなど北欧でも、多くの家の屋根に草が生えているというし、一見不思議な建物ですが、自然を生かしながら実に合理的にできているエコロジーハウスといえるかもしれません。

展望牧舎と馬

 

 オホーツクに来たら、ぜひこんな気になるモノたちも探してみてください。
(網走から244号線を知床方面に進むと、海鮮市場の先に廃船が、原生花園駅の先、右手に展望牧舎があります)      

マップ

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