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今年のオホーツクは、7月になってから梅雨のようなどんよりした空が、ほぼ毎日広がっていました。湖畔のキャンプ場で雨にぬれたテントを見ると、なんだか申し訳ないほどです。 廃船 網走から斜里方面に向かう途中の海岸沿いに、古びた漁船があります。いつうち捨てられたものなのか、潮風にさらされていい具合に朽ちていて、中から草なんかも生えたりして、ちょっとしたオブジェのようにも見えるのです。絵のモチーフにする方もいるようです。 草の生えている屋根 海沿いをさらに原生花園の方へ進むと、濤沸湖畔に展望牧舎という小屋があります。屋根に草が生えている不思議な小屋です。 ここは近隣のいくつかの牧場の馬が放し飼いになっている所で、牧舎には観光用に展望台がついています。今日は天気がよいせいもあってか、いくつもの観光客のグループが、馬にさわったり、わたしと同じように写真を撮ったりしていました。 午後3時。今はちょうど馬の昼寝の時間。みんな立ったままじっと目をつぶっています。 馬にエサをやりながら聞いたおじさんの話によれば、馬にもなわばりがあり、同じ牧場同士の馬がかたまって過ごしているとのこと。水場で水を飲むにも順序があって、リーダー格の強い馬がそばでじっと見張っているのだそうです。見るとちょうどそのリーダー格の馬が他の馬を水場から追い払っているところ。ただただのんびりと見える馬たちですが、実はいろいろなルールがあるようです。 展望台は牧舎の屋根にも登れるようですが、危険なのでやめたほうがよいでしょう。観光客の一人が牧舎の屋根の端まで歩いていってるのが見えましたが、一斉に馬たちが牧舎に向かって動き始めました。これは仲間が襲われるのでは、と感じて動きだしたもので、普段は各牧場のグループごとに行動していても、いざとなると馬全体の結束を固めるのだそうです。もしこんなとき屋根から落ちたりしたら、馬に襲われることもあります。展望台に上る際は十分注意が必要です。 その牧舎の屋根ですが、なぜ草が生えているのかずっと気になっていたのです。聞いてみると、やっぱりこれは自然に生えたものではなく、屋根に土を盛って植えたものなのだそうです。こうすると、適度な湿気があって牧舎も長持ちするし、なにより涼しいのです。
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