3月14日、東藻琴村の農業振興センターの加工室で、新鮮な牛乳を使ったアイスクリーム作りをしました。教えてくださるのは東藻琴の酪農家、シンフォニーファームのいちろうさんです。
3月といっても北海道ではまだまだ気温の低い日がありますが、この日はもう春かというくらいに暖かく、雪も解けるほどだったので、アイスクリームを食べるにはぴったりの陽気でした。
アイスクリームは家庭でもよく作られるお菓子の1つです。作り方も幾通りもあり、素材にこだわったり、中に混ぜるものに工夫をこらしたり、と色々楽しめます。
今回は、アイスクリームメーカーを使った簡単な作り方ですが、牛乳は搾りたての新鮮なものを使います。材料の内の生クリームも、その牛乳を遠心分離器にかけて取り出したできたてのものを使います。
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←これは分離器の中心部。この中に同じ漏斗型の羽根が何枚も重なって入っていて、牛乳がここを通って分離されます。 |
生クリームは牛乳全体の10分の1の割合しか取れないものだそうです。新鮮な牛乳は市販のものに比べて脂肪球が大きいため、放置しておくだけでも脂肪分が分離してクリームが取れるとか。 |
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スイッチを入れると受け皿の下の漏斗型部分の中が高速回転し、牛乳を脂肪分とそうでないものとに分けます。 |
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脂肪分を取り去った残りはこの後も取れ、ボールになみなみ一杯ありました。 |
生クリームはほんの少ししか取れません。いかにも濃い色をしています。 |
1.材料を混ぜる
砂糖100グラムに卵黄3個分をよくすり混ぜます。クリーム状になったら、牛乳を500ccと、バニラエッセンスを適量加えます。
(生クリーム入りを作るときは、卵黄を5個にし、ここで生クリームを入れました)
2.火にかける
よく混ざったら鍋にあけ、弱火にかけ焦げないようにゆっくりかきまぜながらとろみがつくまで煮ます。
火にかける前は白っぽかった液が、火にかけるとだんだん表面だけが白く中は黄色になり、木べらで混ぜた後がマーブル模様になりました。さらに火が通ってくると、全体が黄色にかわります。
小さな泡が少したって、木べらの手応えが変わってきたら火から下ろします。
(火を通しすぎると分離してざらっとした感じになるので注意)
3.空気を含ませる
液を鍋のまま、またはボールに移し替えて急速に冷やします。今日は急速冷凍庫に入れました。家庭の場合は、鍋底に氷水をあてて冷やすといいそうです。北海道では冬は雪がふんだんにあるので、それを利用することもできます。
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液の温度が10℃くらいまで下がったら、アイスクリームメーカーに入れます。アイスクリームメーカーは、−5℃くらいの温度で冷やしながら混ぜて固めます。
これがアイスクリームメーカー |
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機械がない時は、液をバットに流して冷凍庫に入れて凍らせ、30分ごとに5、6回泡立て器で空気を含むようにかき混ぜながら冷やし固めていきます。 |
4.冷やし固める
とろみのついた液体がもったりしたかんじになったら出来上がりです。カップに詰め、平らな所にトントンと打ち付けて中の空気を抜きます。
この時点ではまだちょっとやわらかくて、シェイクよりやや固いくらいなので、冷凍庫で再び冷やし固めます。固まったら蓋をして、アイスクリームの完成です。
手作りのアイスクリームの味は、卵と牛乳の濃厚さがあるのに、後味はさっぱりしています。アイスクリームを食べた後、のどが渇くことがありますが、これは大丈夫です。市販のものよりずっとシンプルで、素朴なおやつができました。
冷凍庫で固める作業は手間がかかりますが、それまでの工程は単純なものです。粉のお菓子のようなむずかしさもありません。材料も家庭にいつもあるものばかりですし、添加物の入っていないおいしいおやつがこんなに簡単にできるなら、こちらの方がずっとおすすめです。
今日は何も入っていないバニラアイスクリームを習いましたが、ハチミツを混ぜたり、コーヒーや紅茶を混ぜたり、季節の果物を加えたりするのもおいしそうです。■
おまけ:
アイスクリームを作る時は卵黄しか使わないので、卵白がたくさん余ります。これを使ってメレンゲやアイスクリームカップ、また別に粉を使ってアイスクリームをのせて食べるゴーフレットも作りました。
ゴーフレットは洋風の堅焼き煎餅といったところ、昔七輪でこんな煎餅を作って食べたと懐かしがる方も。ゴーフレット専用の型に種を落とし、ぎゅっとはさむと、縁からはみだした種がプクプクッとふくれてあっという間に焼けていくのがおもしろい。
熱々のうちに円錐状に丸めれば、アイスクリームコーンになります。
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